こんにちは、オランダよりミズキです。
昨日ぼくが住んでいる町で、アンティークマーケットが開催されていたので、行ってきました。さすがヨーロッパ、古くて、いい感じにオシャレなモノが沢山ありましたー。
(ただ、ぼくはアメリカのレトロな雰囲気のアンティーク雑貨が好みなので、まだ馴染めてませんがw)
さて、今回はオランダ経済を数字で見ていくシリーズの第3回目です。
(ご参考:パート1のオランダ人口統計&GDP、パート2のオランダの貿易)
オランダの経済を少しでも理解するために、オランダの労働関連の指標や数字をまとめましたー!
農業にも経営の部分で大きく関わっている部分なので、注目です!!
さくっと概要を知りたい方はこちらへ
オランダの失業率
まずは、おなじみ!失業率について。
失業率とは?
【出典:hollandtradeandinvest.com】
こちらはヨーロッパ諸国の2007~2015年の失業率の平均です(アメリカも比較として入っていますね)。
オランダの平均失業率は5.5%(2007-2015年)でした。
これは、スウェーデン・オーストリアについで、ヨーロッパで3番目に低い値です!
あの大国イギリスでも7.2% (2007-2015年) なので、オランダは比較的失業率が低いです!
しかし失業率のヨーロッパ平均が10%とは、ヨーロッパは失業者多いですね。。
調べてみると、2014年のヨーロッパ内での失業率ワースト3位は、1位ギリシャ26.5%、2位スペイン24.5%、3位キプロス16.1%でした【出典:eurostat】
ギリシャ・スペインは約5人に1人が失業者、、そうとう厳しいです。。
ちなみに日本の同期間の失業率は平均4.2% (2007-2015年)【出典:世界経済のネタ帳】でした。
日本の失業率はヨーロッパで1番低いスウェーデンと同程度です。
日本は失業者は少ないという意味では恵まれた環境ですね!(※失業率は働く意思があり、職探しを行っているが仕事につけない人のことをいうので、働く意志がない方や家事手伝いの方は含みません)
オランダの平均給与(月額)
次に平均給与です。
従業員の給与設定や、オランダでの就職・転職の際の比較において参考になりますね!
【出典:reinisfischer.com】
これは、2014-2015年におけるヨーロッパの平均月額給与のランキングです。
オランダの2015年の平均月額給与は2,158ユーロ(1ユーロ114円だと、約25万円)でした。ヨーロッパ連合28カ国中では7位でした。
ルクセンブルクはヨーロッパのタックスヘイブンとして有名で、アジアの香港やシンガポールのように、名だたる大企業が本社やヨーロッパ本社をおいており、1人あたりGDPも世界首位なので、平均給与でもやはりダントツの1位ですね。
ルクセンブルクを除くと、オランダを含む、スウェーデン・イギリス・フランス・ドイツ・イタリアなどは月額約2,000~2,500ユーロが平均のようです!
これは色々な場面で比較できそうなので、覚えておくといいですね!
反対に平均月額1,000ユーロ以下の国をみてみると、エストニア・ポーランド・スロバキア・ハンガリーなどの東ヨーロッパの国々が目立ちます。上位国とは2~3倍も違いますね!
オランダの農業でも、東ヨーロッパからの出稼ぎ労働者が多いことが、経営にも大きく影響していると聞きます。
この給与水準の違いがオランダ農業のアドバンテージにもなっているのですね!
オランダの想定平均時給
上記と似た指標になりますが、ヨーロッパ各国の想定平均時給を見てみましょう!
【出典:eurostat】
これはヨーロッパ各国の2015年の想定平均時給(コスト)です。
こちらも農業の経営にも関わってくる大事な数字ですね!特に給与以外のコストも記載されているので分かりやすいです。
オランダの想定平均時給(諸経費、グラフの青色部分を含む)は約34ユーロ(1ユーロ114円だと、約3,900円)でした!
純粋な手取り額だと平均時給約25ユーロ(1ユーロ114円で、約2,850円)です。
上記平均月給同様に、東ヨーロッパ各国との格差が明らかですね。
オランダの各農家が、この給与水準の違いをどの程度経営に活かしているか?も、本ブログでも追って詳しく掘り下げていきたいと思います!
オランダの労働参加率
次に労働参加率を見てみましょう。
あまり聞き慣れない指標ですが、労働参加率とは、国民のうち実際に労働に参加している人口の割合です。
くわしくはこちらの労働参加率を参照してください。
【出典:OECD】
このグラフは2015年の世界各国の労働参加率を示しています。(小さく見にくくて、ごめんなさい!)。
※ここでは15~64歳の国民の労働に参加している割合を示しています。
なんと、オランダは労働参加率が79.6%(2015年)(グラフ吹出し部分)でした!
グラフをみて分かる通り、オランダは他国に比べて労働参加率が高いです!
アメリカ(緑色)、イギリス(オレンジ色)、ドイツ(水色)などに比べても高い。そして日本(黄色)よりも高い。
これは、前ブログで調べた、1人当たりGDPの高さにも寄与していると思います。
オランダは他国に比べて、働いている人の割合が高いんです!
上記のとおり、オランダは失業率が日本よりも高い(働く意思があるのに働けない人が多い)のに、労働参加率(実際に労働している人の割合)が日本よりも高いということは、、
オランダは日本よりも「仕事を見つけにくいけれど、実際に働いている人の割合が多い」ことがわかりますね!
反対に、日本はオランダよりも「仕事は見つけやすいけれど、実際に働いている人の割合が少ない」ことがいえます。
日本は働いている人が多い印象だったので、これは意外な結果でした。
※失業率では、家事手伝いなどの方は失業者には含まれないので、働こうと思っても働きにくい環境が日本にはあるともいえるかと。
オランダ「女性」の労働参加率
近年日本でも話題になっている「女性」の労働参加率(社会進出)についても、調べてみました!
【出典:U.S. Department of Labor】
こちらは、2011年の世界各国の女性の労働参加率のグラフです。
オランダは女性の労働参加率が58%(2011年)です。アメリカと同様の水準になってます。
女性の労働参加率が高い国はニュージーランドやカナダ、ヨーロッパではスウェーデンが60%以上と高いですね。
ただ、オランダは、イギリスやドイツよりも高く、子供を生みやすい国と言われているフランスよりも高いので、女性の労働参加率は比較的高いと言えますね!
どういった面で、オランダが女性の社会進出をサポートしてるかはとても気になります。
今後色々と見えてきたらレポートします!
ちなみに、日本の女性の労働参加率は47.7%(2011年)でした。
オランダの平均労働時間
次に、オランダ国民が年間どのくらいの時間働いているか?を見てみましょう。
【出典:Wikipedia】
これは、2014年における経済開発協力機構(OECD)加盟国の年間平均労働時間のランキングです。
オランダは、なんと1,425時間で、ドイツの次に労働時間が少ないです!
オランダ人は時間でみると、あまり働いていないんですね!!
(でも、上記のとおり働いている人の割合は高い!)
1人当りの労働時間が他国と比べて短いけど、労働参加率は高い!イコール「みんなが無理ない範囲で働くが、その分みんなで働いてお互い助けあっている?」なんか、国民みんなで協力している感じがいいですね^^
ちなみに、2014年のオランダの祝祭日は計20日だったので、週休2日として簡単に計算すると、、
下記の通り、オランダ人の1日の平均労働時間は約6時間でした!!
~~~~~
・5日(1週間の労働日数)×52週(1年間)-20日(祝祭日)=240日(年間労働日数)
・1425時間(平均年間労働時間)÷240日(年間労働時間)≒5.94時間(一日の平均労働時間)
~~~~~
実際の生活でイメージすると、9時に出社して、16時に帰宅していることになります(ランチタイムを1時間想定)。
いいなーw。プライベートの時間もしっかり確保できますね!オランダ素晴らしい^^
ただ、前の記事より、オランダの1人の当たりGDPは他国と比較しても高いので、
少ない労働時間で、多くの価値を生み出していること(=効率の高さ&労働参加率の高さ)がここでもわかりますね!!
※オランダはガスや石油のなどの資源もあるので、単純に比較はできませんが。
日本をみてみると、意外や意外、他国と比較すると労働時間がそこまで長いわけではないです!1,729時間で22位でした(データには載らない違法残業などは多いとは想像しますが。。汗)
それにしても韓国はキツそうですね、、日本に似た労働環境も加味すると、、ストレスは凄そうです。。
オランダのパートタイム労働者の割合
最後に、オランダの特徴がよくみえるデータを見つけたので載せておきます。
オランダの労働人口の中でのパートタイム(アルバイト)の割合です。
【出典:hollandtradeandinvest.com】
これは、2013年のヨーロッパでの労働人口におけるパートタイム労働者の割合を示しています。
なんと、オランダは労働人口の約4割(2013)がパートタイム労働者でした!
2位のスウェーデンが約25%なので、ヨーロッパでのダントツの高さです!
これは正社員になりづらく、安定していない、などのネガティブな見方もありますし、家族との時間を大切にして、仕事とのバランスを取る人が多い、との見方もできると思います。
同じ出典元データによると、パートタイムのうち約75%が女性のとのことでした。
これは上記の、オランダ女性の労働参加率の高さにも反映されていますし、
女性が、出産後や色々な変化に応じて働きやすい環境が、オランダにはあるのだと思います。
以上、オランダの労働事情を数字で色々と調べまとめました。
いかがでしたでしょうか。
気になった指標や数字はありましたか?
ぼく的には、オランダの平均給与や時給が分かり労働コスト相場が掴めた点と、東ヨーロッパと西ヨーロッパでの人件費の格差が数字で確認できた点が良かったです!
また、オランダ国民の平均労働時間の少なさから、オランダの効率的な働き方を証明する数字が見えたのが収穫でした!!
本記事が、オランダの労働事情を把握する上で参考になれば幸いです!
長文をご覧頂き、ありがとうございました^^