こんにちは、オランダよりミズキです。
今回はぼくが普段お手伝いさせて頂いている、「オランダ農業視察サポート」について、ご利用頂きましたお客様の視察事例をもとに簡単にご紹介したいと思います。
おはようございます!今日から5日間、日本からのお客様を農業視察へご案内します。今回はイベントも含めた充実した内容でとても楽しみです。皆さんも素敵な週末をお過ごしください(^^) pic.twitter.com/s9ltOWPnKw
— ミズキ@オランダ在住農業トランスレーター (@yMIZUKI8) 2017年9月24日
オランダ農業視察サポートの詳細は下記にてご確認ください。
オランダ農業視察イメージの参考になればと思います!
なお、今回ご紹介する視察事例は、日本初の農業参入コンサルティング会社である株式会社農テラス様のサポートをさせて頂いた内容です。
記事の最後には株式会社農テラスの代表山下氏の「オランダ農業視察レポート」もシェアさせて頂きます。
とても分かりやすく日本との比較を交えたレポートですので、本記事とともにぜひともご覧ください!
さくっと概要を知りたい方はこちらへ
オランダ農業視察の目的:オランダ農業の「今」を知る!
まず、今回のご視察の目的について簡単にご紹介します。
前述の通り、今回オランダ農業視察のお手伝いをさせて頂いたのは農業参入コンサルタントの株式会社農テラス様。
代表の山下氏は、なんと約20年前にオランダを含めた欧州の農業視察をされており、そこで得た当時最新の栽培技術や設備をご自身の農業に生かされていたそう。
そんな山下氏の今回のご視察の主な目的は以下の2点でした。
①オランダ農業の「今」を知り、約20年前との変化を確認する
②農業コンサルティング(農業指導)が有料化されているオランダの情報・ノウハウを知ること
オランダ農業視察の日程(スケジュール)と内容について
上記の視察目的のもと、計3日間の視察スケジュールを組ませて頂きました。
順を追って簡単にご紹介させて頂きます。
オランダ農業視察1日目:Priva社、施設園芸製品常設展示場、トマト農家
1日目、まずはオランダ施設園芸の環境制御装置で大手のプリバ(Priva)社の本社キャンパスを訪問。
担当者よりプリバ社の製品やサービスについて詳しい説明を受けました。
次に、施設園芸関連企業約50社の最新製品やシステムをみることのできる常設展示場施設に。
各製品が実際に使用される形式で分かりやすく展示されているので、各製品やオランダ農業についての理解を深めることができます。
通常こういった各社の製品を見れる機会は年に数回の大規模な展示会が一般的なので、こういった常設展示場は貴重な場所になります。
そして、1日目の最後は知り合いのトマト農家を視察。
計11haの農場で、補助光も使い、通年収穫をしています。
ここは収量が反収90トン(90kg/㎡)を誇る、オランダでも凄腕のトマト農家です(単位面積あたりの収量はなんと日本の約4−5倍!)。
最先端の生産技術や考え、またコンサルタント事情も詳しくお聞きしました。
オランダ農業視察2日目:Delfy社試験場、アーバンファーマーズ
昨日はお客様をオランダ施設園芸コンサルタント大手のデェルフィー社研究施設と都市型農業アクアポニックス栽培のアーバンファーマーズへご案内!デルフィー社では省エネを実現する技術やシステム、LEDによる収量増加や質の向上など、オランダ農業の今のトレンドや向かっている方向性を確認! pic.twitter.com/FIu81y8KzR
— ミズキ@オランダ在住農業トランスレーター (@yMIZUKI8) 2017年9月27日
視察2日目、まずはオランダ農業コンサルティング大手のデルフィー(Delfy)社の試験場を視察。
オランダ施設園芸の最新技術や栽培が伺え、現在・将来のトレンドや可能性を知ることができました。
次に、屋上都市型農業、アクアポニックス栽培を行うアーバンファーマーズ(UrbanFamers)。
オフィスは訪れる度にオシャレに快適になっています。人を集めることができる都市型農業の強みを伸ばそうとしていることが伝わります。
魚を育て、その糞の養分で野菜を育てる、サステイナブル(持続可能)な循環型農業のアクアポニックス。
そして都市部で行うことで、消費者に近い場所で栽培ができ、より新鮮な野菜を提供できる都市型農業。
この施設は詳しく下記に記載しているのでよかったらご覧ください。
オランダ農業視察3日目:大規模なパプリカ農家、Seed Meets Technology
昨日はお客様を30ヘクタールのパプリカ&トマト農家、最新技術と種苗会社のコラボイベントSeed Meet Technologyにお連れしました!「オランダに来てよかった!実際に見て感じることでしか得れないものがある!」そう仰って頂くことが本当に嬉しいです(^^) pic.twitter.com/g8ooWoMygd
— ミズキ@オランダ在住農業トランスレーター (@yMIZUKI8) 2017年9月28日
オランダ農業視察最終日には、まず計30haの超大規模なパプリカ農家を視察。
東京ドーム約6.4個分の広さになります。
オランダらしい超大規模なガラスハウス農園。
自動輸送収穫機や選別ロボット、地熱利用など、最新の設備や技術がいたるところに使われています。
そして、最後に「Seed Meets Technology」という主に育種関連企業の最新製品が集まる展示会イベントに参加。
このイベントでは育種大手企業(サカタやタキイも出展してました)の試験場も開放されており、訪れることができました。
以上、このようなスケジュールで充実した視察となりました。
おまけ:オランダ観光もお手伝いしました^^
主にオランダ農業視察をお手伝いさせて頂いていますが、オランダ観光もオプションでご案内しています。
せっかくオランダに来られたので、オランダらしい観光地で楽しい時間も過ごして頂ければと思っています。
実際に農業視察とオランダ観光を一緒にお願いされることも多いです。
オランダ在住2年目なので、色々なオススメスポットをご紹介できますよ^^
今回は下記写真スポットを含め、計2日間をご案内しました。
アムステルダムのボートツアー
ザ・オランダな風車村
オランダの古都デルフト。ここは個人的にも好きな街で、よく訪れます。
ここは古いガラスハウス(温室)を改築したレストラン。
使われる野菜はほぼ全て自分達で栽培しているコダワリよう。
オランダ農業視察との相性はバッチリです^^
このように、オランダ農業視察と合わせて色々な観光地やオススメスポットもご紹介しています。
株式会社農テラス様について&オランダ農業視察レポート
最後に今回オランダ農業視察をお手伝いさせて頂きました、株式会社農テラス様の簡単なご紹介と、代表山下氏のオランダ農業視察レポートをシェアさせて頂きます。
前述の通り株式会社農テラス様は、全国初の農業参入コンサルティング会社として、企業の農業参入や農業で起業をしたい方のコンサルティングを通して、日本農業の発展に貢献されている企業様です。
株式会社農テラス様のホームページ(http://www.notera.co.jp/index.html)より
代表の山下氏は自身が長年農家として「稼ぐ農業経営」を実践され、その後「株式会社果実堂ファーム」代表取締役も務められ、企業農家としても成功された方です。
全国初の農業参入専門コンサルティング会社として2012年の創立以来、これまで70企業以上の農業ビジネス支援や、計約1万名へのご講演などをされているそう。
気になった方はぜひ、株式会社農テラス様のホームページをご覧ください。
株式会社農テラス代表山下氏のオランダ農業視察レポート
「なぜオランダの農業は収益率が高いのか!」
最後に株式会社農テラス代表山下氏のオランダ農業視察レポートをシェアさせて頂きます。
株式会社農テラス様のホームページ(http://www.notera.co.jp/index.html)より
レポートはこちらよりご覧ください。
農業参入コンサルタントをされている山下氏の視点で、「なぜオランダの農業は収益率が高いのか」をオランダ農業の仕組みや考え方とともに、とても読みやすくまとめられています。
一部を下記にご紹介します。
以上のように、オランダでは国策による農業戦略で強い農業だけが生き残る仕組みが出来上がっていた。
その戦略とは「選択と集中」そして「合理化」オランダの技術革新はなにも世界 1 になるために進化したものではない。日照が少ないから電照技術が進み、園芸用水が少ないから水の再利用がなされているし、コスト削減のために大規模化が進み、労力確保を他国の移民に頼らざる得ないことから言語を使わずに管理できる労務管理システムが導入されたのだ。
つまり、オランダ農業の収益性が高いのは自国の環境、都合に順応してきたことでおのずと合理化が進み、その結果収益性の高い農業が実現できたのである。
<中略>
2014 年。日本でも「農業改革」が始まった。
政府もオランダ型農業をモデルに強い農家強い農業を作ると旗を振り始めた。
しかし、大半の生産者はこの現状にまだ気が付いていない。現状に気が付けば小規模農家はこぞって反対するだろう。まるで 20 年前のオランダと同じように。そして弱肉強食の競争に勝った者だけが農業をすることを許される。
農家の息子として生まれ農業業界に 30 年近く身を置くものとしてこの現状が居た堪れない。だが時代は変化していく。
できることは現状を多くの農業者に伝え、現状に気づいてもらうこと。そして時代に対応する力を蓄えてもらうこと。世界の食を担う「世界農業」はまだまだ進化していく。進化する農業は果てしなく進化し、その進化に対応できないものは淘汰されていく。
様々な知見がつまったレポートになっています。ぜひ、ご覧ください。
レポートはこちらより。
ぼくも山下氏にはオランダ滞在期間中、多くを学ばせて頂きました!
株式会社農テラス様のホームページをはこちらより。
まとめ
以上、普段ぼくがお手伝いさせて頂いているオランダ農業視察の一例のご紹介でした。
今後も「オランダ農業トランスレーター」としてオランダ現地より皆様のお手伝いができればと思っています。
オランダ農業視察をご希望の方は下記をご覧ください。
その他「農」と「食」に関わることでしたら、喜んでお手伝いさせて頂きますので、お気軽にお問い合わせくださいね^^
最後までご覧頂きありがとうございました!
山下氏とパプリカ農家にて。
★今回のオランダ農業視察のご紹介記事と、株式会社農テラス代表山下氏のレポートは山下氏ご本人の許可を得て掲載しております。